【革の種類】レザーの種類と加工方法まで!塗膜の仕上がりの違いも合わせて解説

LEATHER ITEM

自然の恩恵を受けたエコな素材のレザーは、家畜の副産物であり、牛肉の消費量の多い国では早くから革の産業が発展していました。

日本では、その歴史が浅く、飼育頭数の少ないことから、牛、馬、山羊などの原皮の大半は輸入となっています。

半面、豚は飼育量が多いので、輸出も行われています。

ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)は,野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより,絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的とする。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/wasntn.html

家畜以外の爬虫類や鳥類などの野生動物も革の原皮として使われていますが、ワシントン条約の制限もあるため飼育されたものが増加しています。

革の性質は、動物の種類だけでなく、年齢などによっても分かれ、さらには、なめしの工程の仕上げの仕方によっても風合いや特性は異なります。

こういったレザーの種類や仕上げの特長を知ることで、どのようなケアが必要になるのか判断できるようになれば、より革製品の愛着もいっそう湧くことですね!

トリコ
トリコ

希少価値だけでなく、加工の仕方によってその革の風合いが変わってくるので、その風合いの変化を楽しむためにも種類や特性を知ることは大切です。

革になる動物の種類

スキンハイド
繊維がきめ細やかで繊細 繊維が粗大
薄くて柔らかい 厚め
銀面の模様も細やか 銀面の模様も粗い
体の傷が少ない 傷も増えてくる

牛革

革製品でもっとも多く使われているのが、牛革。多くは食肉の副産物で供給が安定している。年齢や性別により分類されていることも特徴の一つとなっています。

大きい面積が取れ、厚さもあり、繊維が比較的均一で強度や耐久性に富んでいる。北米からの供給が主になっているが、国産の地生と呼ばれる牛皮があります。

カーフ

生後6か月以内の子牛の皮革。薄くきめの細かい銀面の特長を持つ。牛皮の中でも最高級品の位置づけで、生後3か月以内は、ベビーカーフと呼ばれています。

キップ

生後6か月から2年以内の牛皮革。カーフよりは、きめが粗いが厚みがあり、銀面も傷が少ない分美しい素材。

ステア

生後3~6か月以内に去勢された、生後2年以内の牡牛の皮革。面積が大きく、厚みが均一で最も流通量の多い素材。

カウ

生後2年以上で、出産経験を持つ牝牛の皮革。ステアより薄くて柔らかみのある素材。ステア同様に面積が広く取れ、流通量が多い素材。

ブル

生後3年以上の牡牛の皮革。繊維組織が粗く、厚手で傷なども多い。

豚革

最大の特徴は、毛が3本ずつまとまって革を貫通している点です。

通気性に富んでいて、薄く軽いのが特徴の皮革です。また、摩耗性にも富んでいるため、靴などの裏革に利用されることが多く、銀面は凹凸が多い銀面を持っている。

牛皮より、コラーゲン組織が細かく、バッフィングによって繊細な起毛も可能な皮革です。

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馬革

繊維は、荒いが毛穴数が少ないため、銀面が滑らかです。臀部の革は非常に密度の濃い繊維になっていることから、コードバンと呼ばれて、高級な革製品に使われています。

羊革

子牛は、ラムと呼ばれていて繊維が繊細でなめしの後は、柔らかい革になる特長を持っています。

山羊革

皮は薄いのが特徴で、弾性繊維の密度が濃いため、銀面が摩耗性に優れています。子山羊は、キッドと呼ばれています。

鹿革

銀面が硬めの革質で、傷も多いため銀面を除いて利用されることが多いです。セーム側と呼ばれ、柔軟で感触がいいため、衣類(手袋など)に使われることが多いです。

エキゾチックレザー

日本では、ワシントン条約に基づいて正しく輸入された皮革を利用して日本で作られた製品を証明するために製品表示を全日本爬虫類皮革産業協同組合が推奨しています。(JRAタッグ)

ワニ革

爬虫類皮革の代表。美しいうろこが特徴で、腹部は四角形で横腹は丸いうろこ形状となっている。クロコダイル・アリゲーター・カイマンに分類されます。部位ごとに形状と性質が異なります。

オーストリッチ

ダチョウの革を指します。羽の抜いた跡の凹凸が特徴で、クイルマークと呼びます。他の革にはない特徴です。クイルマーク部分は、全体の40%ほどしか取れないため、希少価値が高く、高級な革となります。

トカゲ革

背中の丸い整ったうろこが特徴で、背中の斑点や円状の模様が、リングマークトカゲが、トカゲ革の代表となります。爬虫類皮革の中では、人気の革となります。

ヘビ革

うろこや斑点は個性的な革の象徴で、ダイヤ型の模様のダイヤモンドパイソンや不規則な図形模様のモラレスパイソンが代表ですが、種類は多岐にわたります。

サメ革

循麟という固い表皮があり、塩酸で柔らかく仕上げていきます。表皮の特長は、頭部から尻尾に向けて、網目状の凹凸があり個性的。大きい個体は、その模様もダイナミックになります。

アザラシ・オットセイ革

脱毛して皮革利用されるか、毛革で利用されることとなります。海獣の革は、厚みがあり、丈夫で波状の模様が特徴となります。

エイ革

小さい粒上の模様に覆われている。これが、光を受けることで、美しい表情を生み出します。

革の部位

革の艶やハリ、きめの細かさは、人と同じように動物の革も部位により、その特徴は違います。革は一枚で取引されるのが普通で、製品になる工程で、裁断されます。

傷の有無や繊維の方向などは、その時に見極めていく必要があります。

トリコ
トリコ

繊維の方向は、背骨あたりから腹にかけてや肩にかけての方向性があります。

ベンズ(BENDS)・バット(BUTT)

大判利用製品から小物製品まで用途が多岐にわたる。繊維密度の点や厚みもあるので、丈夫な部位となります。

バッグのマチ部分、ベルト、革の底など強度の必要な製品パーツに利用されます。

ショルダー(SHOULDER)

柔軟性と強度を併せ持つ部位。

他の部位よりも、生体時に動きのある部位のため、しわが多いのも特徴です。

ベリー(BELLY)

腹部部分で繊維密度が粗く、伸びやすい端部は小物製品に利用されます。

革の仕上げ(加工方法)について

皮から革へなめされた革は、最後の仕上げ工程で見た目の印象や手触りなどに大きな影響を与えます。

色味や風合いは、この仕上げ方法により様々な製品の素材となる決定的な工程となるので、種類も多岐に渡ります。

また、防水性や耐久性も高める要素ともなりますので、技術や感性も必要となります。

革の加工方法の違いによる分類

銀付き革

動物の皮の本来の銀面の模様を生かした革をいいます。銀面上に様々な仕上げが施されて革になります。

銀磨り革

銀付き革に対して、銀面を削ってバッフィング加工を施した革銀磨り革といいます。皮の状態の傷などの損傷部分が、均一になるので歩留まりが良く生産性がいい加工です。

ガラス張り革

銀磨り革の代表仕上げです。なめした後にガラス張り乾燥を施して、銀面のバッフィングと塗装で仕上げます。

仕上がりは、固めの風合いで靴や鞄に利用されます。

型押し革

なめした後の革を加熱してプレスする加工方法。押し付けた仕上げ模様は、エキゾチックレザーの模様のものが多く作られています。

スエード、ベロア

革の肉面をバッフィングして、起毛仕上げにした加工方法で、スエードは、繊維密度の繊細な子牛や子山羊、子豚の革で仕上げるもので、ベロアは、成牛革のような繊維構造が粗いもので起毛、スエードより毛羽立ちの長いものがそれにあたります。

ヌバック

革の銀面をバッフィングし、毛羽立たせて仕上げで、スエードよりその毛羽が短いのが特徴です。

バックスキン

牡鹿の銀面を除去して、その部分を起毛した革。

エナメル革

なめし段階で、薬品を利用し革の表面を収縮させシワを付けた仕上げ。

オイルレザー

革にオイルをしみ込ませ、耐久性を持たせた革。使い込むほどに風合いが増し、経年変化を楽しむことがしやすい革となります。

床革

皮革を2枚に分割し、銀面を持つことのない仕上げ。肉面のほうの皮を原料として、床スエードや床ベロアは、床革を起毛させて作ります。

塗膜の種類による仕上げの分類

革の仕上げは、表面の塗装や着色によって革の表面を保護し、さらに美観を高めることが目的となります。塗装も何もしないで、革本来の美観を生かした革は、『素上げ革』呼ばれています。

トリコ
トリコ

『染料』と『顔料』の違いは、革の繊維の奥まで染める方法が『染料』で、革の上に色を乗せる方法が『顔料』となります。

アニリン仕上げ

塗膜の透明度が高く、本来の銀面模様を生かした仕上げで、着色剤は『染料』が主に用いられます。

顔料仕上げ

着色剤に『顔料』が使われ、革の表面の傷や損傷を目立たなくする仕上げです。塗膜の透明度が低く、革本来の色味や風合いは損なわれてしまいますが、様々な色の着色を施すことが出来ます。

まとめ

革になる動物の種類はもちろん、革の取れる部位や動物の月齢、なめし工程での仕上げの仕方や染色の仕方で、風合いや色、光沢感や強度まで変わることがわかりましたでしょうか。

レザーと言ってもこれだけの種類があって、様々な風合いを出していることを考えると、お気に入りの仕上げを見つけて、ケアしていくことで愛着の持てる革製品選びができますね。

是非気に入った種類や仕上げ方法を見つけて、革製品を長く使っていきましょう。

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